イミテーション・ゲーム/天才がゆえに背負った、神のみに許される決断

34.the imitation game,イミテーション・ゲーム

期待通り面白かった。なんかね、見終わった後に来るのよじわじわと。実際に起こった事の重さに考えさせられるというか。

天才数学者ということで、彼の数学的な考えや言葉は全く理解できないんだけど、戦争における国家最高機密はこういうことを言うのか・・・と、とても一般人では考えられない事実にショックを受けた。

第二次世界大戦の終結に貢献した、若き天才数学者の挑戦、そしてそんな彼に訪れる不当な仕打ち。50年以上も機密扱いとされ、現コンピューターの原型を作り上げた人物でもあるアラン・チューリングの物語。

アカデミー賞脚色賞を獲った素晴らしい作品。歴史好きな人はぜひ見てね。

1939年、第二次世界大戦勃発。ヒトラー率いるドイツ軍がポーランドに侵攻する中、イギリスでは数学者のチューリングを含む6名が政府に召集された。彼らは完全な機密体制の下、難解不能と呼ばれるドイツ軍の暗号機”エニグマ”の解読に挑む。

The Imitation Game/2014年/114分/イギリス/監督:モルテン・ティルドゥム
予告:イミテーション・ゲーム

解読達成は過程、その後の決断が神領域

34.the imitation game02,イミテーション・ゲーム

見た直後は最高!とまではいかなかったんだけど、振り返ってみて考えるとあまりにも難しく、そして重い決断だなと思って評価UP。

風景パズル好き~くらいなレベル(ワタシ)ではとてもとても理解できない数学の世界。ハイル・ヒトラーでヒントを得たアランとその仲間たちに、こんな感じで無理矢理追いついた。

暗号分かった!

でクリストファーも一発解読!!さらにエニグマ入力。

おおぉ~おめでとうっ!なんだか良くわかんないけど解けた~っ!(一緒に喜ぶ)

難しいエニグマの設定やら解読やら、ヒントからの解読達成も素晴らしかったけど、その後のほうが凄かった。

解読情報を利用してドイツ軍攻撃を避けるとどうなるか。暗号解読がドイツ軍にばれて、新たに難解な設定をされてしまう。今回の解読にかかった年月は2年。

この状況にアランが下した決断は・・・

エニグマ解読達成を自国イギリス軍には伝えない。
解読情報を元に、どの攻撃を避けるのかを統計システムで選ばせる。
被害が多いと思われる攻撃情報を自国軍に伝える。
その情報源はMI6を使って偽物を準備。ドイツ軍にもリークする。

どの人を生かして、どの人を死なせるのか。

より少ない被害で済むよう計算しながらも、戦争を勝利に導くため全部の命は救えないんですね。その決断を自分と諜報機関のみで行ったのは、人間ができる決断を超えていると思ったからなのか。

アランは、ピーターから攻撃対象の船に兄が乗っているので助けてくれと頼まれても、できないと断ります。


ピーター: 神じゃないのに生死の決定はできない

アラン:  それでもやる。他の誰にもできないのだから


他の誰にもできなかったエニグマ暗号解読を成し遂げた自分だからこそ、この残酷な決断をしなければならなかった。

難しい。つくづく戦争は、人の命とは一体何なのかと考えさせられてしまう。

功績を残したアラン、しかし容赦ない政府の仕打ち

34.the imitation game03,イミテーション・ゲーム

その後の統計システムによる攻撃回避で、イギリスを勝利へと導きます。彼らが救った命は1400万人ほどとも言われる莫大な人数。それなのに彼はある罪に問われます。

それは同性愛。

ロシアのスパイだった同僚ジョンが、スパイだとバラしたら同性愛だとバラすと言ったように、当時はそれが同レベルの犯罪だったんですね。投獄か化学療法かの選択を迫られ、アランは女性ホルモン投与を受け入れます。

幼い頃亡くなった片思いの相手を忘れられなかったアラン。初めて作ったコンピューターの原型に亡き友の名前を付けたことからも、彼の一途な愛が伝わってきます。


治療を続けなければ、あの連中が彼(コンピューター)を取り上げてしまう。そんなことはさせないでくれ。私を独りにさせるな。独りになりたくない・・!独りはイヤだ・・・!!


41歳という若さでこの世を去った彼は、栄誉賞並みの待遇をされてもおかしくないのに、時代が違うだけでこんなにも酷い仕打ちを受けなければならなかった。

普通であるという価値観に基づく法律が、いかに人々を苦しめているかという事だよね。

その後2009年、彼に対する同性愛の告発は不当であったことを政府が認めて謝罪。そして2013年、エリザベス女王2世より恩赦が与えられてます。

違った風に考える

34.the imitation game04,イミテーション・ゲーム

アランのこの言葉にずっと引っ掛かりがあったんだよね。

イミテーション・ゲームというのは、コンピューターの思考能力を評価するテスト(別名チューリング・テスト)。今話題の人工知能開発に利用されるものなんだって。

コンピューターは人と違う。けれど人間もそれぞれ考え方に違いがあって、例えばイチゴを好きという人もいれば嫌いだという人もいる。甘いという人もいれば果物自体を食べないという人もいる。

そういう違いという観点で言えば、人工知能も単なる違った風に考える一つの個体であることには変わりない。この話を聞いて考えれば考えるほど、なるほど~と納得してしまった。

アランは全ての秘密を打ち明けた後、刑事にこのゲームをしてもらう。


判定を頼もう。私は何だ?マシンか?人間か?

戦争の英雄か?犯罪者か?


私には判定できないと答える刑事。

アランのこの質問に、違った風に考える人工知能なら一体何て答えるのだろう・・・?

以上、イミテーション・ゲームでしたっ

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